OPERAとは

背景

冠動脈ステント留置術後のステント血栓症(ST)が、ステント留置と関係する重要な有害事象であることが1990年代初期に示され、ステント留置後の積極的な抗血小板療法が開発されました。その結果、STのリスクは有意に低下したものの、血管性合併症および出血性合併症が増加し、二剤併用抗血小板療法(DAPT)を受けている患者の約10~15% で、これらの合併症が生じていると報告されています。
したがって、STに対するDAPTの予防効果が消失した後に、患者が血管性合併症および出血性合併症のリスクに晒されなくて済むDAPTの至適実施期間の検討が必要と考えられます。

一方、STで死亡した患者の剖検研究から、遅発性STの最も重要な組織学的且つ形態学的予測因子が,薬剤溶出性ステント(DES)の留置後に生じるステントストラットの不完全な内皮細胞被覆であることが示されています。
さらに、諸研究により、DESのプラットフォームが異なると内皮細胞被覆による冠動脈疾患の治癒率に違いが生じることが示されています。患者の安全のためには、内皮細胞被覆率に基づき且つ個別のDESのプラットフォームに合わせて、DAPTが実施されるべきであると考えられます。

2009年3月に厚生労働省の承認を得たEndeavor ZESは、細胞増殖抑制剤であるゾタロリムスの溶出期間が短期間である特性から、ステントストラット上での迅速且つ完全な内皮被覆を可能としており、遅発性STを予測する上で、またDAPTの至適実施期間を決定する上で重要な臨床的意義を有しています。

OPERA STUDYでは、Endeavor ZESを用いた日常診療患者における、アスピリンおよびクロピドグレルを用いるDAPTの至適期間を検討するため、短期間(3ヶ月間)のDAPT群と、長期間(12ヶ月間)のDAPT群において、出血性合併症等の発生率を比較検討します。

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研究の概要

研究表題

Optimal Duration of DAPT Following Treatment with Endeavor™ (zotarolimus-eluting stent) in Real-world Japanese Patients: A Prospective Multicenter Registry


リアルワールドの日本人患者におけるEndeavor ZESを用いる治療後のDAPTの至適実施期間の検討:前向き多施設共同試験

目的

リアルワールドの日本人患者において、薬剤溶出性ステントEndeavor ZESを用いるステント留置後にDAPT(アスピリン+クロピドグレル)の二つの異なる継続実施方法群(3ヶ月間および12ヶ月間)間での主要評価項目に関する非劣性を介してEndeavor ZESの長期臨床安全性を評価することおよびEndeavor ZESを用いるステント留置後のDAPTの至適実施期間を検討すること。

研究デザイン

ステント留置後3ヶ月間にわたりDAPTを受けるリアルワールドの日本人患者における前向き多施設登録試験。

本臨床研究の長期DAPT群(Endeavor™の市販後調査から充当されるもの)はステント留置後12ヶ月間にわたりDAPTを受けている連続被験者から構成されるのに対して、短期DAPT群(本臨床研究において新規に登録されるもの)はステント留置後3ヶ月間にわたりDAPTを受けるように指導される被験者から構成される。

適格基準
臨床上の選択基準
  1. 年齢が20歳を超えている患者
  2. 冠動脈造影により視覚的に確認される冠動脈病変の少なくとも1箇所においてステント留置によるPCIを行う臨床的適応がある患者
  3. 本臨床研究の内容について説明を受けた上でその条件に同意し、各実施医療機関の倫理審査委員会により承認された同意書に署名した患者
  4. 本臨床研究実施計画書に記載されている臨床的FUの全てを受けることに合意した患者
冠動脈造影上の選択基準
  1. 直径が2.5mmを超えるネイティブ冠動脈において、冠動脈造影により視覚的に確認される50%を超える閉塞もしくは狭窄を有する患者であり、且つ当該冠動脈がEndeavor ZESを用いるPCIに適している解剖学的構造を有している。
  2. Index PCIにおいてEndeavor ZESと研究対象ではないその他の冠動脈ステントを用いる併用治療は原則的に認められない。
臨床上の除外基準
  1. 年齢が85歳を超えている患者
  2. Primary PCIもしくはRescue PCIを必要とするST上昇型MIの患者でステント留置後の全身状態が除外基準の何れかに該当する患者
  3. 心原性ショックを有する患者
  4. 標的血管のIndex PCIの施行前6ヶ月以内に別の病変部においてBMSを用いるステント治療を受けた患者
  5. これまでに冠動脈病変に対してDESを用いる何らかの治療を受けた患者
  6. Index PCI後12ヶ月以内に待機的外科手術が予定されている患者
  7. 左室駆出率(LVEF)が40%未満の患者
  8. 出血性素因または凝固異常の既往がある患者
  9. 病変数および罹患枝数に関わらず、ステント留置の総本数が4本を超える患者
  10. ステント留置前にCVAの既往が確認されている患者
  11. ステント留置前に活動性消化性潰瘍もしくは上部消化管出血の既往が確認されて いる患者
  12. 腎機能障害が認められる患者(血清クレアチニン濃度が1.8mg/dLを超える)
  13. アスピリンもしくはクロピドグレルに対する既知の禁忌事項を有する患者 (認容性については日常診療範内で医師が判断することとする)
  14. 既知の疾患を有する、余命が12ヶ月未満である患者
  15. 本臨床研究実施計画書に記載されている全ての臨床的FUを遵守する能力が無い患者
冠動脈造影上の除外基準
  1. 大伏在静脈グラフト(SVG)内に位置している病変
  2. 保護されていない左冠動脈主幹部病変
  3. 以前に留置済みのDESもしくはBMSのステント内再狭窄病変
  4. Endeavor ZES留置による治療に適合しない冠動脈の解剖学的構造を伴う病変
評価項目
主要評価項目

ステント留置後12ヶ月目での臨床的FUにより評価されるNACCEの発生率。

※NACCEは、全死因死亡(心臓死および非心臓死を含む)、MI(Q波MIおよび非Q波MI)、CVAならびに大出血(REPLACE-2の出血基準改変版およびGUSTOの出血基準に準拠)から成る複合的評価項目として定義される。

副次的評価項目
  1. ARC による定義に準拠したSTの発生率
  2. ステント留置後9および12ヶ月目でのTVRおよびTLRの施行率
  3. ステント留置後1、3、6、9および12ヶ月目でのMACEの発生率
    ※MACEは、全死因死亡(心臓死および非心臓死を含む)、MI(Q波MIおよび非Q波 MIを含む)、TLRおよび冠動脈バイパス術(CABG)から成る複合的評価項目として定義 されている。
  4. DAPTの実施期間および被験者の服薬遵守率
  5. 出血性合併症(REPLACE-2の出血基準改変版およびGUSTOの出血基準に準拠したもの)の発生率
研究期間 2011年5月 ~ 2014年2月
目標症例数 1,200症例 (短期DAPT群)


研究の概要図

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検査スケジュール

被験手技 手技前 手技 ステント
留置後
30日目
(±7日)
3ヶ月目
(+30日)
6ヶ月目
(±30日)
9ヶ月目
(±30日)
12ヶ月目
(+30日)
経過観察の種類 診察来院
もしくは
電話
診察来院 診察来院
もしくは
電話
診察来院
もしくは
電話
診察来院
同意説明 2              
病歴              
理学検査              
狭心症の状況  
12誘導ECG 1   2 4 4 4 4 4
生化学検査 1、7              
ヘモグロビン 1   6 6 6 6 6 6
CK、CK-MB、
トロポニン
3   5 5 5 5 5 5
適格性の検討 2              
抗血小板薬・
併用薬の服薬状況
8 8 8 8 8 8
臨床有害事象の評価   4、5、6 4、5、6 4、5、6 4、5、6 4、5、6 4、5、6
血管造影検査データ 9 9 9 9 9 9



○・・・必須事項、   △・・・任意事項

  1. 原則手技の施行前7日以内
  2. 患者の退院時までに行う(12誘導ECGはステント留置後24時間以内または退院前のいずれか早い時期に行う)。
  3. 手技の施行前72時間以内
  4. 虚血・心筋梗塞が疑われる場合、12誘導ECGが必要。
  5. 虚血・心筋梗塞が疑われる場合、血清CK濃度、血清CK-MB濃度、血清トロポニン濃度のいずれかの測定が必要。
  6. 出血性合併症が疑われる場合、血中ヘモグロビン濃度の測定が必要。
  7. 血清総コレステロール濃度、血清LDLコレステロール濃度、血清HDLコレステロール濃度、血清トリグリセリド濃度、血清クレアチニン濃度、血糖値
  8. アスピリン、クロピドグレルの服用薬
  9. 臨床有害事象発生時に血管造影を行った場合は、その所見をコアラボが解析する。

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臨床試験登録

OPERA STUDYは、下記のデータベースに登録されています。

Clinical Trials. gov
Clinical Trials. gov Identifier: NCT01325935

UMIN-CTR
試験ID: UMIN000005476

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研究組織

OPERA STUDYは、特定非営利活動法人インターベンションのエビデンスを創る会で実施します。
インターベンションのエビデンスを創る会は、OPERA STUDYを通じて、
日本の高いインターベンション技術を活かし、世界に発信するエビデンス創りを目指します。

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